石油の缶を叩いて拍子をとり乱痴気騒ぎをした

民俗学者・早川幸太郎の『三州横山話』によると、愛知県北設楽郡東郷村出沢の三作という木挽きが仲間8人と山小屋に居たとき、深夜に酒2升を買い、石油の缶を叩いて拍子をとり乱痴気騒ぎをした。

すると、山上から石を投げ、岩を転がし、小屋を揺さぶり、火の玉を飛ばし、周りの木を倒す音がした。

一同は酔いが醒めて抱き合い、生きた心地もしなかった。

夜が明けたら木1本倒れていなかった。天狗の悪戯であったという。

この話は「天狗倒し」「天狗礫」「天狗火」「天狗の揺さぶり」が一挙に現れたもので興味深い話である。

これらの話は大体天狗の仕業とされる代表的なもので、全国津々浦々少しずつ話を変えて伝えられている古事記・日本書紀などに登場し、天孫降臨の際に案内役を務めた国津神のサルタヒコは、背が高く長い鼻を持つ容姿の描写から、一般に天狗のイメージと混同され、同一視されて語られるケースも多い。

祭礼で猿田彦の役に扮する際は、天狗の面を被ったいでたちで表現されるのが通例である。
update:2010年03月06日